電子情報機器、携帯電話、パソコン、TVゲーム機など、身近にそして手軽に使用される時代になりましたが、大量生産し生産コストを落とす為、ハウジング類はプラスチック樹脂の成型品が主流を占めております。
電気絶縁体のプラスチック樹脂は優れた材質ですが、電磁波が素通りしてシールド効果は全くなく、周辺機器の誤作動を起こす原因になっております。
何かの方法で導電化する事が必要であり、方法は多種多様にありますが、弊社では樹脂の電気メッキ以外の導電性塗料によるシールド効果を出す方法を導入しております。
導電材料としてAg系塗料、Ni系塗料、カーボン系塗料、CU系塗料などの製品群により、使い分けいたしております。
従来、電気・電子部品ではハンダという優れた伝導性材料が用いられてきましたが、最近では量産性に優れたプラスチック成型品に導電塗装する事により、不要な電磁波を遮蔽する事が多くなっております。
電磁波は、導電体にあたると渦電流を誘導し、それにより反射します。種々のプラスチック樹脂の成型品は絶縁体である為、電磁波を容易に透過させ、不要な電磁波の漏洩や外部からの侵入を防御出来ません。その為にプラスチック樹脂の成型品に導電塗装や無電解ニッケルメッキ、アルミ蒸着膜などで電磁波防止を致します。
導電塗装も導電性フィラーが多種多様にあり、高価なフィラーは銀フレーク100%の塗料から、銀と銅との混合塗料、銀とニッケルとの混合塗料と数多くあります。
問題の電磁波の周波数と被塗体のプラスチック樹脂の種類と予算によって、導電塗料の選択がされております。
プラスチック樹脂の一部分をメッキ未着の状態(プラスチック樹脂のまま)にしたい場合、その部位にレジストコートをする事でメッキ液に侵食されない部分を残す技術です。
プラスチック樹脂に電気メッキをする際、全体をメッキする場合は必要ありませんが、特定の部位をプラスチック樹脂生地で残したい場合、導通しては機能上問題が発生する部位にレジストコートを先に作業し、メッキ工程に入ればコートされている面は生地のまま残る事になります。
ボタン類のヒンジ部分は、何回も作動する事でメッキ面にクラックが入り折損事故になるので、その部位にレジスト液をコートすることが多いです。